「JCIA・2024年5月29日(水)配信」

5月16日、愛知学院大学文学部中国語教室に、「域外漢字」研究で知られている国語国字研究家、湖南師範大学瀟湘学者講座教授、吉首大学域外漢字研究所学術委員会主任李大清教授を迎え、愛知学院大学日進キャンパス9208パソコン教室にて特別学術講座を行った。この特別講座に学生たちはとても期待していた。80分の特別講座と10分間の質疑応答は、学生たちは始終、李教授のユーモアたっぷりで新鮮で学識豊富な講義に集中し、真剣なまなざしで興味津々に受講した。五月は新入生にとっては入学後のいろいろな新しい学習などでとても忙しくて、通常あまり質問しないが、質疑応答の際、学生たちから李教授に積極的に質問をした。李教授は丁寧に学生の質問に答え、そして特製のノートをプレゼントした。学生からの大きな感謝の拍手の中、特別学術講座が終了した。

李教授は1970年代末に中国アモイ大学を卒業され、吉林大学文学修士号を取得、北京航空航天大学で教鞭を取りながら、北京国際放送やラジオ放送日本語講座等で担当講師として大活躍されていた。1980年代末に日本国立国語研究所に外国人研究員として来日後、4年間半同研究所で和製漢字「国字」の課題で研究を続けた。日本のほかに中国の大学などで域外漢字、国字、和製漢字、創作国字などのテーマで講座や講演を行っている。そして吉首大学域外漢字研究所を設立し、学術委員会主任教授として中心となって研究を進めている。

日本の国字について日本文化学科の学生から、「日本の国字について峠や辻くらいしか知らなかったが、ほかにたくさんあることを知って驚いた」と。心理学科の学生は、「日本の国字について過去に勉強した経験はあったが、今回のように中国の視点から語られることは少なく、より学びが深くなったと感じた」とそれぞれ感想を述べた。

創作漢字については、「創作漢字はその形になったアイディアがすごいと思った」と。「日本の47都道府県をそれぞれ1文字に表すことは、漢字は奥深いと思った」。「中でもカタカナを用いた造字があると知った際に驚いた」と。「創作漢字をはじめてみたが、ユーモアがあり、面白かった」。「創作漢字を教えていただき、僕の知見を広げてくださる楽しい講義でした」と、心理学科、日本文化学科の学生たち、それぞれ日本の文化力に感心した。

魚偏の漢字について、「日本は島国で海の面積が広く、そのため魚偏の和製漢字が多いとおっしゃっていたのは、印象に残った」。「魚へんの文字を用いた漢字の話が印象に残った。李先生のお話のおかげで、中国により興味をもった」。

このほか、李教授は仏典の中の造字や国字、韓国やベトナムの漢字造字、そして中国地域漢字と日本の仮名文字なども取り上げ、学生たちを文字文化の海洋に導いた。

「漢字が作られた時代背景やどのようにしてその漢字が作られたかなど、漢字についてこんなに深く聞いたことも調べたことも無かったので非常に勉強になった」と学生が感想文に書いたように、李教授の域外漢字の特別講座はとても評判がよく、学術講座ではあったが、学生たちはとても楽しく受講できたと思う。中国語担当教員として李教授に深謝したい。またの機会によろしくお願いします。

(愛知学院大学 朱新建)

(撮影 朱新建)